Claude Codeを使うなら知っておきたい「ターミナル」の話
Claude Codeを入れてみたものの、出てきた黒い画面の前で止まってしまった方へ。覚えるコマンドはpwd・ls・cdの3つだけです。ターミナルの開き方から、Claude Codeが「起動した場所しか見ていない」という最重要ポイント、Ctrl+Cでの止め方、つまずきやすい3つのケースまで一通り押さえます。
この記事の内容をスライドにまとめました。ビジュアルで先に把握したい方はこちらからどうぞ。
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Claude Codeを入れてみたものの、出てきた黒い画面の前で手が止まってしまった。
この記事は、そういう方に向けたものです。
怖さの理由は、だいたい次の3つに集約されます。
- 何を打てばいいか分からない
- 変なことを打って、壊さないか不安
- 動き出したものが、止まらなくなりそう
全部つぶします。読み終わったときにできるようになっているのは、次の5つです。
- ターミナルを開ける
- いま自分がどこにいるかが分かる
- 目的のフォルダまで移動できる
- その場所でClaude Codeを起動できる
- 固まっても自分で止められる
逆に言うと、この5つ以外の話はしません。ターミナルには何百というコマンドがありますが、Claude Codeを使い始めるだけなら、この記事の範囲で足ります。
この記事はMacの画面を前提に書いています。 Windowsの方は「開き方」と「フォルダ名の書き方」が少し変わりますが、考え方とコマンドは共通です。違いは最後にまとめてあります。
先に、この記事の全部を1つの表に
覚えるのはコマンドが3つと、キー操作がいくつかだけです。読み進める前に、まずゴールを置いておきます。
| 打つもの | やること |
|---|---|
pwd | いま自分がどこにいるかを表示する |
ls | そこに何が入っているかを表示する |
cd フォルダ名 | そのフォルダへ移動する |
cd .. | ひとつ上のフォルダに戻る |
claude | いまいるフォルダでClaude Codeを起動する |
| キー | やること |
|---|---|
Ctrl + C | 動いているものを止める(Claude Codeを終わるときは2回) |
Tab | 途中まで打った名前の続きを埋める |
↑(上矢印) | 前に打ったコマンドを呼び戻す |
この表だけブックマークしてもらっても構いません。以下は、これが何をしているかの説明です。
ターミナルは、Finderの「もう1つの入口」です
まず、いちばん誤解されやすいところから。
ターミナルは、Finderと同じものを、文字で触るための入口です。別の世界に行くわけではありません。
普段、Finderでやっていることを思い浮かべてください。
- フォルダを開く
- 中に何が入っているかを見る
- ファイルを別の場所に動かす
ターミナルでやることも、まったく同じです。違うのは、マウスの代わりに文字を打つという一点だけ。触っている実体は、どちらも同じフォルダであり、同じファイルです。入口が2つあるだけ、と考えてください。
| 操作のしかた | やること | |
|---|---|---|
| Finderの入口 | マウス(ダブルクリック・ドラッグ) | 開く・見る・動かす |
| ターミナルの入口 | キーボード(打った文字) | 開く・見る・動かす |
AIのツールがターミナル側を使うのは、理由があります。マウスの手つきは真似できなくても、文字なら真似できるからです。
開き方
Macなら2通りあります。
⌘(コマンド)+スペースを同時に押して、ターミナル と打ってEnter- アプリケーションフォルダ → ユーティリティ → ターミナル
開くと、こういう画面が出ます。
taro@MacBook-Air ~ %
これは「あなたの番です、何か打ってください」という入力待ちの表示です。何も動いていません。ここに文字を打って Enter を押す、の繰り返しが、ターミナルでやることのすべてです。
先に答えておきます:「Claudeのデスクトップアプリでいいのでは?」
ここで、そう思った方もいると思います。
そのとおりで、無理にターミナルを使う必要はありません。
Claude Codeは、ターミナルのほかに、デスクトップアプリ・ブラウザ(claude.ai/code)・VS Code / JetBrains の拡張でも使えます。どれも同じClaude Codeにつながっていて、設定もそのまま共通で効きます。差分を画面で見比べられるぶん、アプリのほうが分かりやすい場面も多いです。
それでもターミナルを知っておくと得なのは、2つの理由からです。
1つ目は、世の中の解説記事や公式の手順が、ほとんどターミナル前提で書かれていること。 「まずこのコマンドを実行します」と書かれた記事にたどり着いたとき、そこで詰まらなくなります。
2つ目は、ターミナルが「パソコンそのもの」に近い場所だから。 アプリの画面は、誰かが「ここまでできればいいでしょう」と決めた範囲です。素に近いところを触れるようになるほど、できることは増えますし、何か起きたときに原因へたどり着くのも速くなります。
毎日使う必要はありません。ただ、読めるようになると詰まらなくなる。それがこの記事の目的です。
コマンドは3つだけ
pwd ── いま、どこにいるのか
ターミナルには「いま自分がいるフォルダ」という概念があります。Finderでいえば、いま開いているウィンドウのことです。
ただしターミナルには、そのウィンドウが見えません。だから最初に覚えるのが、現在地を聞くコマンドです。
taro@MacBook-Air ~ % pwd
/Users/taro
スラッシュで区切られた文字列が返ってきます。これがいまいる場所の住所です。この例なら「ユーザー taro のホームフォルダにいる」ということになります。
迷ったら pwd。これがターミナルの基本姿勢です。
ls ── そこに何が入っているのか
現在地が分かったら、次は中身です。
taro@MacBook-Air ~ % ls
Applications Desktop Documents Downloads Library Movies Music Pictures Public
Finderでフォルダを開いたときに見える中身が、そのまま文字で並びます。それだけです。
cd ── 移動する
cd のあとに半角スペースを1つ空けて、行きたいフォルダの名前を書きます。
taro@MacBook-Air ~ % cd Documents
taro@MacBook-Air Documents % pwd
/Users/taro/Documents
cd は移動が成功しても何も表示しません。代わりに、行の先頭の表示(プロンプト)のフォルダ名の部分が ~ から Documents に変わっているのが分かると思います。ここが現在地の目印です。
それでも不安なら、移動した直後に pwd を打って確かめる。打って、確かめる。 これがターミナルでの進み方です。
行きすぎたときは、cd のあとにピリオドを2つ。
taro@MacBook-Air Documents % cd ..
taro@MacBook-Air ~ % pwd
/Users/taro
ひとつ上のフォルダに戻ります。
pwd で現在地を確かめ、ls で中身を見て、cd で移動する。この3つを繰り返すだけで、目的のフォルダまでたどり着けます。やっているのは、Finderでフォルダをダブルクリックしていくのと同じことです。
いちばん大事:Claude Codeは、起動した場所しか見ていません
ここが、この記事でいちばん持ち帰ってほしいところです。
ターミナルで claude と打つとClaude Codeが起動しますが、そのとき自分がどのフォルダにいたか。それがそのまま、AIが読み書きできる範囲になります。
taro@MacBook-Air ~ % pwd
/Users/taro ← ホームフォルダにいる
taro@MacBook-Air ~ % claude ← ここで起動すると…
この状態で「さっきの資料を直して」とお願いしても、AIから見えているのはこの階層だけです。目的のファイルが Documents/myproject/ の中にあるなら、そこには届きません。
正しくは、先に移動してから起動します。
taro@MacBook-Air ~ % cd Documents/myproject
taro@MacBook-Air myproject % pwd
/Users/taro/Documents/myproject ← 目的の場所にいることを確認
taro@MacBook-Air myproject % claude
これで初めて、中のファイルを読んだり直したりできるようになります。
「AIが言うことを聞いてくれない」と思っていたことの何割かは、起動した場所が違っただけ、というケースが本当に多いです。
対策はシンプルで、claude と打つ前に必ず pwd で現在地を確かめる。習慣にするだけで、かなり減ります。
そしてこれは、裏を返せば便利な性質でもあります。AIに触ってほしくないフォルダでは起動しない。つまり、見せる範囲を自分で決められるということです。
止め方さえ知っていれば、怖くありません
「怖い」という気持ちの正体は、たいてい止め方を知らないことです。
止めるのは、これだけです。
Ctrl(コントロール)キーを押しながら、Cのキーを押す
時間のかかる処理が動いているときにこれを押すと、^C という表示が出て処理が止まり、また打てる状態に戻ります。
Claude Codeを終わらせたいときも同じキーですが、こちらは2回押します。1回目で「もう一度押すと終了します」という確認が出て、2回目で本当に終わります。
ついでに:「固まった」の多くは、固まっていません
画面が止まって見えるとき、その多くは処理が動いているのではなく、ただ入力を待っているだけです。
見分け方は簡単で、行の先頭にこういう表示が出ていれば入力待ちです。
taro@MacBook-Air myproject %
ユーザー名・パソコンの名前・フォルダ名が並んだこの表示が出ていれば、何も動いていません。落ち着いて次のコマンドを打って大丈夫です。
打つ量を減らす、3つの操作
コマンドを覚えても、長いフォルダ名を毎回打つのは面倒です。ここを知らないまま使い続けると、単純にしんどくなります。
1. Tab キーで、続きを埋めてもらう
フォルダ名を途中まで打って Tab を押すと、続きを勝手に埋めてくれます。cd Doc まで打って Tab を押せば cd Documents/ になります。
候補が1つに決まらないときは、下に候補が並びます。それを見て、あと1〜2文字だけ打ち足せば、また埋まります。
2. ↑(上矢印)キーで、前のコマンドを呼び戻す
押すと、直前に打ったコマンドがそのまま戻ってきます。もう一度押すと、その前のコマンド。打ち間違えたときも、打ち直すより呼び戻して直すほうが速いです。
3. Finderからフォルダをドラッグ&ドロップする
これがいちばん効きます。
cd と打って半角スペースを1つ空けたあと、Finderで開きたいフォルダを、ターミナルの画面にそのままドラッグ&ドロップしてください。そのフォルダの場所を表す文字列が、そのまま入力されます。あとは Enter を押すだけ。
長い場所の名前を、1文字も打たずに移動できます。
つまずきやすいところ3つ
1. フォルダ名にスペースが入っている
ターミナルでは、スペースは「ここで区切り」という意味を持ちます。だから my project のような名前をそのまま打つと、my までで切れてしまいます。
taro@MacBook-Air ~ % cd Documents/my project
cd: string not in pwd: my
対処は2つ。
cd "Documents/my project" ← 全体をダブルクォーテーションで囲む(Windowsでも使えます)
cd Documents/my\ project ← スペースの直前にバックスラッシュを1つ足す(Mac向け)
どちらでも移動できます。ただし囲むほうを覚えておくのがおすすめです。Windowsではバックスラッシュがフォルダの区切り記号なので、同じようには使えません。
なお、さっきのドラッグ&ドロップを使えば自動で処理されるので、そもそも悩まずに済みます。
2. 英語で「見つかりません」と出る
zsh: command not found: pdw
原因はほぼ2つで、打ち間違いか、そのソフトがまだ入っていないかです。
見分け方のコツは、メッセージの最後に、自分が打った文字がそのまま出ていること。この例なら pdw です。pwd と打ったつもりが pdw になっていた、というだけの話でした。まずそこを見比べてください。
3. 行の先頭の表示が、いつもと違う
taro@MacBook-Air ~ % echo "こんにちは
dquote>
dquote> のような見慣れない表示が出て、何を打っても実行されない。これは、ひとつ前に打った内容がまだ終わっていないサインです。この例のように、ダブルクォーテーションを開いたまま閉じ忘れると起きます(dquote は「ダブルクォート待ち」の意味です)。
Ctrl + C で抜けて、打ち直してください。「変な表示になったら Ctrl + C」 と覚えておけば大丈夫です。
Windowsをお使いの方へ
考え方とコマンド(pwd / ls / cd / claude)は共通ですが、次の3点が変わります。
| Mac | Windows | |
|---|---|---|
| ターミナルの開き方 | ⌘ + スペース →「ターミナル」 | スタートメニューから「ターミナル」または「PowerShell」 |
| ファイル管理の画面 | Finder | エクスプローラー |
| スペース入りのフォルダ名 | "my project" / my\ project | "my project"(ダブルクォーテーションで囲む) |
まとめ:今日できるようになったこと
冒頭の5つを振り返ります。
| できるようになったこと | 使うもの |
|---|---|
| ターミナルを開ける | ⌘ + スペース →「ターミナル」 |
| いま自分がどこにいるかが分かる | pwd |
| 目的のフォルダまで移動できる | ls で見て cd で移動 |
| その場所でClaude Codeを起動できる | 移動してから claude |
| 固まっても自分で止められる | Ctrl + C |
全部を暗記する必要はありません。必要になったら、この記事の表に戻ってきてコピーして使ってください。
ターミナルを毎日使う必要もありません。アプリで済むなら、それでいいと思います。
ただ、読めると詰まらなくなる。打って、確かめて、違ったら戻る。この記事でやったのは、その繰り返しだけでした。
動画版もあります
同じ内容を、実際のターミナルの画面を動かしながら解説した動画版があります。「打つと、画面がどう変わるのか」は動きで見たほうが早いので、あわせてどうぞ。
「Claude Codeを使うなら知っておきたい」シリーズは、これからも続けていきます。すでに公開しているのはこちらです。
この先は「環境変数」「JSON」「APIとMCP」といったテーマを予定しています。